糖尿病 食事療法

記録と評価−セルフコントロール

 

血糖コントロールの指標

血糖値は血圧と同じで刻々と動くものです。いつもは食べないようなカロリーの高い食べ物を食べれば、その直後だけ高血糖になります。特に1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)の人は、2型糖尿病(非依存型)の人より血糖が大きく変動します。血糖コントロールが良い状態とは、血糖の上下の変動をなるべく少なくし、かつ一週間とか1ヵ月単位でみたとき、高血糖も低血糖もない状態です。そのためインスリン依存型糖尿病の場合には、一回の血糖値だけでは血糖コントロールが良いのか悪いのか判断がつきません。

 

こういうときにたいへん良い指標となるのが、血中の1,5-AG、、フルクトサミン、ヘモグロビンA1、ヘモグロビンA1cです。

 

1,5-AG値からは過去一週間内の血糖コントロール状態が、フルクトサミン値からは過去二週間の、ヘモグロビンA1やA1cからは過去1〜2ヵ月問の血糖コントロール状態がわかります。初診の患者さんであっても、そのときのヘモグロビンA1やA1cの値を見ると、過去1〜2ヵ月洲の血糖コントロールが良かったか悪かったか、一目でわかります。病院で受診するときの血糖値は悪くないのにヘモグロビンA1cが悪い場合‐は、受診日やその前日だけ気をつけているのだとすぐわかってしまいます。

 

 

自分で尿糖や血糖を測定する

尿糖検査と血糖測定検査は、家庭でもできます。数字から自分の努力の結果が少しずつでもわかるようになると、それだけで励みになり、さらに血糖コントロールが上手にできるようになります。

 

食事療法や経口血糖降下剤で治療している人は、尿糖検査をぜひ家庭でやってください。

 

その簡単な方法を紹介しましょう。まず、毎朝の第一回目の尿の尿糖検査をします。尿糖検査の試験紙は薬局で買うことができます。でされば第一尿を捨てて、第二回目の尿を調べるはうがもっとそのときの血糖値と相関するためによいので、できる人は二回目にしてください。

 

糖尿病治療がうまくいく(血糖コントロールがよくなっていく)と、この朝の尿糖が陰性になってきます。

 

そして、次に食後の尿糖を調べてください。どの食後でもかまいません。食後の尿も食前と同様に尿糖陰性の回数が多くなっていれば、血糖コントロールが良い方向に向かっていることの証明になります。毎食後の尿糖検査で、陽性の回数が月に2〜4回くらいだったら、血中ヘモグロビンA1c値がだいたい7%以下くらいにまでよくなっているといえるでしょう。食後の尿糖が出なくなると、ヘモグロビンA1cは非常によくなります。

 

次に、血糖についても自分で測定できます。インスリン依存型糖尿病や、インスリン治療の必要なインスリン非依存型糖尿病は、血糖値が上下しやすいことは前に述べました。そのため良い血糖状態を保つには、血糖自己測定が必要になります。

 

成長期や妊娠時、風邪などの病気のときは特に何回も繰り返し測定しなくてはいけません。血糖値を見て、インスリンの量をいつもより増やしたりする必要が出てくるからです。インスリンの量を変えないで高血糖のままで放置しておくと、糖尿病が悪くなリケトアシドーシスになりかねません。ケトアシドーシスになると、妊婦の場合は生命の危険が本人だけでなく、胎児にも及びます。妊娠中は、血糖値が少し高いくらいで気すぐケトアシドーシスを起こしやすいものです。

 

逆に運動会やスキーなどのときは、いつもよりインスリン量を減量する必要が出てきます。これも自分で血糖測定ができていれば、どれくらい減量すればよいか、減量した後の血糖がどうなったかを自分で知ることができます。

 

一週間に一回は一日中の血糖値を測ってみるのもよいでしょう。3回の食前食後と寝る前の血糖値を測定するのです。異常に血糖値の低い時間や高い時間が見つかったら、主治医に話してインスリンの量を変えるか、食事の時間を見直すか、考える必要があります。

 

血糖の一日の変動状態が曜日によって異なることもあります。まず週末と週日は違ったパターンになるでしょう。仕事が終わってからスポーツをする曜日があれば、その曜日もまたインスリン量を少し変更してインスリン注射を打つことになるでしょう。自分のバターンを早く知ることが大事です。

 

一ヵ月の血糖値の流れもあります。特に女性は生理があるので、これによって血糖値が乱れます。

 

 

すべてノートに記録する

血糖自己測定の結果や尿糖は、すべてノートに記録します。このノートには、その日の変わった出米事も記録しておくとよいでしょう。いつもと変わった食物を食べたとか、生理が始まった日など、このノートを日誌だと思って記録しておくと後でたいへん便利です。病気になって血糖値が上がってしまいどうしようかと迷ったら、以前に病気になったときの記録を見てください。そのときに加えた速効型インスリンと同量の追加注射をしてみるとよいでしょう。さらにもっと追加して注射しなければならないかもしれません。病気のときは特に細かく記録しておくと、このように後になってたいへん役立つことが多いのです。
追加してインスリンを打っても体調がよくならず、血糖値も高いままで尿にケトンが出ていたら、もう自分で管理するのはあきらめて、すぐ病院を受診してください。この状態では、自分で血糖を管理するのはむずかしいことが多いのです。

 

このような記録は各自、それぞれ好きなように書いてかまいません。ポイントは、一目でわかるように書いておくことです。ある人の場合は四単位のインスリン追加でよかったとしても、他の人の場合にはもっと多くのインスリンが必要なこともあります。

 

自分の記録ははかのどんなテキストブックよりも大切なものです。

 

女性の場合は、基礎体温もぜひ記録してください。基礎体温は朝、目覚めたとき、すぐ口の中に婦人体温計を入れて測った体温です。少なくとも6時間就寝した後に測りましょう。基礎体温をつけると、一ヵ月が高温相と低温相に分かれることがわかります。高温相が約二週間、低温相がその残りの日数です。

 

高温相のとき、血糖値は上がり気味になります。また、高温相のときは経口剤やインスリンが効きにくくなります。逆に、低温相のときは高温相のときより低めの血糖値になります。低温相のときは経口剤やインスリンは効きやすくなります。女性は、自分か今どの時期であるかをいつも知っておく必要があります。これは血糖コントロールをさらによくする大事なコツの一つです。

 

 

便利な糖尿病手帳

自分か今日何を食べたか、今日一日どのような生活をしたか、いつもと違ったことがなかったか。就寝する前など、簡単で結構ですので、日記をつけるような形でぜひ記録してください。毎日同じようなことを記録するので、つまらないことかもしれませんが、これは自分しかわからないことなのです。尿糖検査をしているならば、尿糖の有無も必ず記録しておきましょう。そして次回の受診のときに先生に見せてください。

 

糖尿病の専門医なら、外来受診すると「本日のあなたの血糖はいくつです」、「ヘモグロビンA1値やA1c値はいくつです」と教えてくれるはずです。これは必ず記載しておいてください。また、病院で渡された記録の用紙を保管しておきましょう。

 

どんな手帳でもかまいませんから、外米受診時の月日、血糖値、尿糖値、尿タンパク、ヘモグロビンA1値またはA1c値、血圧、時々行う生化学検査や胸部X線写真、心電図、腹部エコー、眼底の所見などの結果を記載しておきましょう。主治医に書いてもらってもよいのですが、忙しい主治医にはなかなかやってもらえないでしょうから電図は大丈夫といわれた」などと簡単に自分で書きとめておくとよいでしょう。

 

転居などで病院を変わるときや旅行中は、必ずこのような記録を持参しましょう。旅行中に急病で現地の病院を受診するような事態もあり、そうした場合にたいへん役立ちます。

 

 

血糖コントロールを左右するもの

血糖値やヘモグロビンA1c値の記録は病院のものではありません。患者の皆さん一人一人の大事な生活の記録なのです。

 

外来受診したとき、血糖値や血糖コントロールの指標であるヘモグロビンA1c値がいつもと違って、値が悪かった場合、多くの人は「食事をきちんとしているのにどうして、血糖値が高いのでしょうか」「どうしてヘモグロビンA1c値が下がらないのでしょう?」と尋ねます。

 

残念ながら主治医は患者さんと一日中一緒にいるわけではありません。何を食べ、どんな仕事をして走りまわったか、まったくわかりません。なぜ血糖の値が高いのかは自分だけが知っているはずです。自分の記録したメモ帳を見直してみれば理由がわかるはずです。

 

今日の血糖値がなゼ高いのか、今日のヘモグロビンA1c値がなぜ悪いのかは自分自身がよくわかっているはずです。つまり、あなたの糖尿病の主治医は自分自身なのです。
医療従事者はアドバイザーにしかなれないのです。

 

体重が増えると、「水で太るんです」とか「水ぶくれするんです」という人がいます。
しかし、水分はたくさんとったからといって、重症の心臓障害や腎障害がなければ絶対に体重が増えることはありません。

 

繰り返しになりますが、血糖値は、基本的には摂取した食物のカロリー数と生活活動量(運動量)、それと服用している血糖降下剤やインスリン注射の量の三つの因子で決まります。この三角関係で決まるのです。

 

しかし、実は血糖値に関係する因子はもう一つあります。たとえば、風邪や下痢などのときには、食欲がなくて食べられなくても血糖は下がることなく、かえって高血糖になることが多いのです。風邪のウイルスや細菌が体内に侵入すると、からだの防御機構の一つである副腎系のホルモンがたくさん分泌されて感染やストレスから体を守るうとします。
また大きなストレスがかかったときには、交感神経のホルモンなどたくさんのホルモンが分泌されます。これらのホルモンはすべて血糖値を上げることになります。

 

ちなみに私たちのからだの中には種々のホルモンが存在しますが、血糖を下げるホルモンはインスリンしかありません。インスリン以外のホルモンはすべて血糖値を上げる作用をするのです。甲状腺ホルモンが過剰に分泌されても、成長ホルモンが過剰に分泌されても、高血糖状態が起こります。

 

大きいストレス(肉親の死、失恋、離婚など)を受けると、予想以上に血糖値は上がります。交感神経系のホルモンの影響です。以前、いつも血糖コントロールがうまくいっているインスリン依存型糖尿病の高校生が、いつになく高血糖になったことがあったそうです。理由は、父親が脳卒中で倒れたということでした。
幸い、お父さんはすぐ元気になり、麻庫もなく社会復帰したそうで、その高校生も次の診療時には良い血糖値に戻っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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