糖尿病網膜症
慢性合併症は、糖尿病の発症後に徐々に進行するもので、はぼ全身の臓器・組織に起こるといえます。その中で、「糖尿病網膜症」、「糖尿病腎症」、「糖尿病神経障害」の三つは、糖尿病の患者さんに特有のものであり三つを合わせて「糖尿病の三人合併症」と呼んでいます。
このほかに、糖尿病の患者さん以外にもみられますが、糖尿病の患者さんの場合に特に頻度の高い「動脈硬化症」も、重要な合併症といえます。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症とは
「網膜」とは、眼球の内側を裏打ちする網目状の膜で、外からの光を「水晶体」と呼ばれるレンズで網膜上に焦点を結ばせ、その信号を脳に送るという大事な役割をもっています。カメラでいうとフィルムにあたります。網膜には「毛細血管」という、最も細い血管が多数走っていますが、糖尿病のコントロールの悪い状態が長く続くと、この毛細血管の一部に「血栓」と呼ばれる血の固まりができ、血液が流れなくなります。これは、糖尿病の大の血液はブドウ糖の濃度が高いために粘性が高く、また血液自
体が固まりやすいためです。
血栓ができると、それよリ下流の血流が途絶えた部分には、血流を補充するための『新生血管」というバイパスのような血管が作られます。
しかし、この新生血管は急ごしらえのため、その構造が弱いのが特徴で、ちょっとした血圧や血糖の変動などによってその壁が破れやすくなってしまい、出血を起こすことになります。これが「眼底出血」です。そして出血が眼球の中心部分にあるゲル状の「硝子体」に及ぶと、水晶体と網膜の問の光の通り道を遮るため、視力が著しく低下することになります。これを「硝子体出血」といいます。硝子体出血を繰り返すと網膜にかさぶたが生じますが、これがはがれると「網膜剥離」となり、最悪の場合には失明することになります。
生まれつき視力に何の支障もなかった人が途中で失明する、いわゆる「中途失明」の原因としては、日本では糖尿病網膜症が第一位(17.8%)であり、その数は年間3000人を超えると報告されています。
網膜症を予防するには
それでは、網膜症の発症や進行を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか。これは、血糖をしっかリコントロールすること、および網膜症を早期に発見し、に早期に治療することにつきます。
アメリカで、多数のインスリン依存や糖尿病患者の合併症に関する臨床研究の結果が報告されました。糖尿病のコントロールと合併症に関する研究、略して「DCCT」と呼ばれています。これによると、血糖を自分で測定しながらインスリンを1日3回以上注射し、より正常に近い血糖を維持する「強化インスリン療法」のはうが、従来の1〜2回注射をするインスリン治療に比べ、網膜症の発症を防ぎ、その進行を抑える効果が高いことが明らかになりました。
このように、ヘモグロビンA1c平均6%以下を保つような厳格血糖コントロールが網膜症の発症あるいは進行予防にきわめて重要であるといえます。
また、網膜症は、初期の段階ではまったく自覚症状がないため、糖尿病と診断されたら、必ず定期的に眼科医の診察を受ける必要があります。視力低下などの自覚症状が出たときには、すでに網膜症はかなり進行しており、適切な治療を受けるタイミングを逸している可能性が高いので、自己判断はきわめて危険といえます。
糖尿病と診断されたら、すぐに眼科医による眼底検査を受けます。そして、最初の検査で異常が認められなくても、その後一年に一回は、定期的に眼底検査を受けましょう。これは、いかに血糖のコントロールが良好でも、糖尿病自体は完治しないので、罹病期間か長くなればなるほど網膜症の発症する可能性が高くなるためです。
また、長期間糖尿病を放置した状態で網膜症が発見されなかった揚合でも、血糖のコントロールがよくなった段階でもう一度検査を受けることが望ましいといえます。これは特に長期問放置した例では、治療開始直後に網膜症が急激に出現する場合があるからです。
網膜症の進行に対して血糖以外に気をつけなければいけないものに、血圧があります。
高血圧は血管を狭くしたり、動脈硬化の原因になったりして、網膜症の進行を助長するとされています。そこで血圧の管理も網膜症の進行干防には重要となります。また、喫煙も網膜症に対して悪い影響を及ぼします。糖尿病と診断されたら禁煙することが重要です。
網膜症と診断されたら
網膜症の初期には、血糖を良好にコントロールすることで、その進行を予防することができます。糖尿病センターの成績では、ヘモグロビンA1c6%以下を保っていれば網膜症が出ないことが確認されています。定期的に眼科を受診し経過観察をしてください。
さらに網膜症が進行すると、すでに述べた新生血管ができているかどうかを調べるために、「蛍光眼底撮影」という精密検査を受けることになります。新生血管の発生を防ぐためには、「光凝固療法」というレーザー治療を受けます。これは、直径0.2〜0.5ミリメートルのスポット状の高エネルギー光を網膜に当てて、酸素欠乏になった神経の一部を焼き付けることによって、新生血管が出てくるのを予防するものです。この治療は患者に比較的負担が少なく、入院せずに外来で行うことができます。この治療法の開発によって、糖尿病をもつ人の失明がかなり防げるようになりましたので、時期を逃さないことが大切です。
さらに硝子体出血や網膜剥離を起こした場合には、顕微鏡を使った手術によって、硝子体の出血や網膜剥離の原因となる増殖組織を取り除き、硝子体に空気やシリコンオイルなどを注入して剥離した網膜を圧迫し、再び網膜剥離が起こるのを予防する処置が行われます。ただしすべての人がこの硝子体手術によって視力が回復するわけではなく、成功率は70〜80%といwa
れています。
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