糖尿病の食事　たんぱく質について

たんぱく質は、身体の細胞や血液の主成分となる栄養素です。

プロテインと呼ばれていますが、これはギリシャ語の第一位という言葉から出ているように、健常者も糖尿病食事療法を行っている方も、生命を維持する上に最も中心をなすものです。
私たちがたんぱく質を食事としてとりますと、まず胃によって溶けやすく分解され、それから腸にいって、そこで膵臓から出てくる分泌物によっていくつかのアミノ酸に分解され、さらに肝臓にいって、そこから血液中に送り出されたり、身体に合ったたんぱく質に再合成されたりします。

アミノ酸は今日、約30種ぐらいあることがわかっており、動物性たんぱく質や植物性たんぱく質など、いろいろな組み合わせによってできています。
また、体内で合成できるものもあり、どうしても外部から食物としてとらねば絶対につくることのできないアミノ酸もあって、この後者の食物として欠くことのできないアミノ酸を必須アミノ酸、あるいは身体の成長、健康の維持に欠くこ恚ができないアミノ酸という意味から、不可欠アミノ酸ともいっています。もちろん、糖尿病の食事にも欠かせないものです。

この必須アミノ酸は、動物性たんぱく質や大豆、豆腐などの大豆製品に多く含まれており、必須アミノ酸が不足しますと、体内の他のアミノ酸もうまく利用できなくなるので、どうしても量とともに質の良いものをとることが必要ですから、食物としてたんぱく質が勝れているか劣っているかは、この必須アミノ酸を多量に、多種類がバランスよく含まれているかにかかっています。

必須アミノ酸が必要なだけ含んでいるたんぱく質なら、普通、大人では一日40グラムを食べれば十分ですが、必須アミノ酸を含んだたんぱく質性食品だけを食べるというわけにはいきませんから、普通一日に体重1キロ当たり115グラムのたんぱく質食品を必要としています。
体重50キロの人なら、1日に50～75グラムとなりますが、このうちの3分の1を動物性たん白質とするなら、さらに良好なわけです。

このたんぱく質の必要量は、健康な人でも、また糖尿病の人でも原則的には変わりありませんが、その人の活動量によって異なってきます。

発育期の子どもや妊産婦、授乳中の婦人には多くする必要がありますし、腎臓病の場合には一定の制限が必要です。
それに一定以上に多過ぎますと、普通、健康な人でも血液を酸化され、糖尿病の食事で多く取り過ぎると病気に悪影響を与えますから、一日に100グラムまでを限度とします。

動物性たんぱく質食品　動物性たん白質食品には動物・魚・鳥・介・卵・牛乳・乳製品などがあって、それぞれ必須アミノ酸を含む栄養価の高い食品ですが、万人の好みに合ううまい肉や鶏卵には、上質なたん白質と同時に多量の脂肪も含んでいるので、糖尿病の食事としても注意しなければなりません。

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