過食と肥満の対策
糖尿病発症の子防法の第一は食事の節制です。なぜなら、血糖上昇の最人の要因は過食であり、肥満を伴った軽い糖尿病なら、食事制限だけで治ってしまうことが多いからです。しかし、実際には最もやっかいで、実行困難なのが食事制限です。それはなぜでしょうか。
食事制限がなぜ困難か
食欲は人間、いやすべての動物にとって、最も根源的な本能だからかもしれません。いくら説明しても、過食はいけないとわかっているけどやめられない、という患者さんが人勢います。また、食べること自体がストレスの発散になっていることもあります。しばしば、女性にみられるウサ晴らし食いや、神経症が加わった過食症の患者さんがその例です。
このように食欲が自制できない人には、カロリーが少なく、繊維の多いもの(野菜、こんにゃく、きのこ、海草類など)を多く食べるようにすすめます。食事の際には、これら低カロリー食物から食べ始めるとよいでしょう。
食事制限ができないもう一つの理由に、食事を控える理由がわからず、動機づけができないことかあります。すでに説明したように糖尿病とは慢性の高血糖状態ですが、その原因として、膵臓からのインスリン分泌の低下と、筋肉や脂肪組織でのインスリン感受性の低下があります。それらの要因として肥満や高脂血症が重要であり、肥満の究極の原因は過食、迎動不足、遺伝的素因といわれています。したがって、食事制限が一義的に必要になるわけです。
肥満の診断
肥満の診断は体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割り、その値(BMI)が26.4以上が肥満で、24以上が肥満傾向といいます。ただし、スポーツ選千や肉体労働者のような筋肉太りの人は除きます。
肥満には上半身肥満(内臓型肥満)と下半身肥満(皮下脂肪型肥満)とがあり、糖尿病に関係するのは前者であることが判明しています。判定方法は、ウェスト/ヒップ比を計算し、男性では1.0以しに、女性では0.8以上が上半身肥満です。したがって、自分の比体重が24以上で、上半身肥満の人は、今日から食事制限と運動を心がけ、減量すべきだということになります。
食事制限の方法
食事制限といってもむずかしいカロリー計算は必要ありません。暴飲暴食を禁じ、腹八分目、バランスのとれた規則正しい食事をすることです。ご飯は一食につき軽く一杯までとし、肉や魚、卵などのタンパク質と野菜類、きのこ、海草類などをバランスよく一日三回、三等分して規則正しく食べることです。肥満や高脂血症のある人は卵やレバー、いか、えび、油の多い肉は避けましょう。牛乳一杯(200cc程度)とくだものを間食か夜食としてとり、お菓子やジュース類は控えます。
食事に関する悪い習慣や迷信
テレビを見ながらの食事は満腹感が希薄になり、過食になりやすいのでやめましょう。
一日の食事を二食にしてまとめ食いするのは、食事で消費するエネルギーが少なくすんでしまうので、最も太りやすい原因といかれます。特に、夜間、就寝前の食事は食後の運動がないぶん、貯蔵エネルギーになりやすく。肥満の原因といわれます。夜食症候群という名前がついているほど、しばしばみられる現象で、食事が入眠効果をもつことから、習慣化していることが多くあります。どうしても夜食をしたいときは、低カロリー食と牛乳にとどめるようにします。
甘味のない蒸留酒は血糖に関係しないから人丈夫、という考えは危険です。すでに肥満があり、食事制限をしている人にとってアルコール類は禁物です。すでに説明した通り、アルコールには栄養はありませんが、カロリーはあるし、食欲増進作用もあります。
したがって、食事やつまみをトータルするとたいへんな高カロリー食となり、肥満が助長されます。さらに、アルコールには依存性があるため、適量ではすまなくなるからです。
そのうえ、長期にわたって多飲すれば、膵臓や肝臓にも障害が及び、血糖をいっそう上昇させることになります。
食事制限の目標
目的は肥満、糖尿病の発症予防ですから、ウェスト/ヒップ比と体重がよい指標になります。ウェスト/ヒスフ比を男性は1.0以下、女性は0.8以下にすること。体重は自分の身長(メートル)の二乗に22を掛けて標準体重を計算し、これを目標にしますが、現体重とかなり離れているときは、10キログラムの減量をまず目標にしてください。自分の若いときの健康時の体重を目標にするときもあります。
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